ジョアン・ジルベルト東京公演 最終夜 (2006-11-09)

最終日,ジョアンと僕たち観客との距離が近く感じられるコンサートでした。

昨日に引き続いて,ステージに登場するなり「こんばんわ」。 で,やおら演奏を始める。

僕の大好きな Lígia, Aos pés da Cruz を今日も演奏してくれました。感動しました。ジョアンのやさしさが感じられる演奏でした。

ジョアンのスタンダード

いつもライブでは定番なのに3回目まで演奏されなかった,Pra que discutir com madame もついにきました。これがないとね。

そして昨夜に引き続いて Ary Barroso の Pica-pau,また演奏してくれました。この曲は1940年発表のもの。ジョアンは10歳くらいでしょうか。故郷ジョアゼイロのラジオからよく流れていたのでしょうか。

Pica-pau の前の Desafinado の演奏の後,少し (30秒くらい?) のためがあって拍手が続きました。「すわ,瞑想タイムか」と思ったのですが,ぱっと顔を上げて,とても明るい様子で Pica-pau を演奏し始めたのが印象的でした。

この曲はたいそう気に入って,コンサートの帰り,駅から自宅までの間,口ずさみながら歩きました。Chô!

アンコールの演奏中, 完全にジョアンの世界に引き込まれて,走馬燈のように,自分がボサノバという音楽,ジョアンの音楽と出会ってから今までのシーンが頭の中を流れました。

ああ,生きていてよかった。

普段は録音された音楽をスピーカーやイヤホンを通して聞いていることが多いのですが,今回ジョアンと同じ空気を吸いながらジョアンの演奏を聴いて,やはり音楽って,演奏する人と聞く人とのコミュニケーションだなあと思いました。そして,音楽が人のこころに与える影響の大きさを実感しました。

ありがとう,ジョアン。ありがとう,音楽。

4回の公演を振り返って

一番よかった公演は8日の第3夜でした。第1夜,第2夜,第3夜ときて,一番調子が乗ってきたと思います。声のつやとのびがよかったし,ギターも繊細できれいだった。

最終日はちょっと疲れが出ていたのか,スムーズにいかないところもありましたが,めがねがずり落ちて Ui, desculpe! したところなど,観客との一体感という意味で別の良さがありました。

会場のセットもよかった,いつもの椅子がステージにとけ込むミニマルな風景が印象的でした。舞台の照明は控えめできれいでよかった。前回の公演より「模様」のバリエーションが増えて,グレードアップした感じ。それでもなお控えめなところを維持していたのがよかった。

一番よかったのは,背景がブルーのグラデーションのとき。ステージ床の木の色との対比にセンスの良さが感じられました。

セットリスト

 1. Não vou pra casa (Antonio Almeida, Boberto Roberti)
 2. Lígia (Tom Jobim)
 3. Isto aqui o que é (Ary Barroso)
 4. Nova ilusão (Pedro Caetano, Claudionor Cruz)
 5. Pra que discutir com madame (Janet Almeida, Haroldo Barbosa)
 6. Preconceito (Wilson Batista, Marino Pinto)
 7. A felicidade (Tom Jobim, Vinícius de Moraes)
 8. Este seu olhar (Tom Jobim)
 9. Doralice (Antonio Almeida, Dorival Caymmi)
10. Solidão (Tom Jobim, Alcides Fernandes)
11. Disse alguém (All of me) (Seymor Simons, Geraldo Marks)
12. Da cor do pecado (Bororó)
13. Tim tim por tim tim (Haroldo Barobosa, Geraldo Jaques)
14. Retrato em branco e preto (Tom Jobim, Chico Buarque)
15. Samba de uma nota só (Tom Jobim, Newton Mendonça)
16. Estate (Bruno Martino, Bruno Brighetti)
17. Bahia com H (Denis Brean)
18. Caminhos cruzados (Tom Jobim, Newton Mendonça)
19. Samba da minha terra (Dorival Caymmi)
20. Wave (Tom Jobim)
21. O pato (Jayme Silva, Neuza Teixeira)
22. Corcovado (Tom Jobim)
23. Chega de saudade (Tom Jobim, Vinícius de Moraes)
    – アンコール その1
24. Treze de ouro (Herivelto Martins, Marino Pinto)
25. Desafinado (Tom Jobim, Newton Mendonça)
26. Pica-pau (Ary Barroso)
    – アンコールその2
27. Meditação (Tom Jobim, Newton Mendonça)
28. Aos pés da Cruz (Marino Pinto, Zé Gonçalves)
29. Isaura (Herivelto Martins, Roberto Roberti)
30. Saudade de Bahia (Dorival Caymmi)
31. Você não sabe amar (Dorival Caymmi, Carlos Guinle, Hugo Lima)
32. Garota de Ipanema (Tom Jobim, Vinícius de Moraes)
コンサート翌日,このブログを書いていたら,ジョアンに2歳の娘さんがいるとの記事が。

Folha Online - João Gilberto descobre ter filha de dois anos com fã

あの Pica-pau、お嬢さんのことを想いながら歌ったのでしょうか。

将来自分に子供が出来たら、歌ってあげたいなあと思いました。

また、息子の João Marcelo のために作ったというインスト曲「João Marcelo」 のように、このお嬢さんのための曲も作っているのかも知れません。 それから、2歳というと、もうそろそろギターを弾き出すかも知れないですね。楽しみです。

ジョアン・ジルベルト関連記事をもっと読む


音楽/ジョアン・ジルベルト東京公演-最終夜-2006-11-09.txt · Last modified: 2009-08-15 10:15 by taka6