この日は朝からジョアンのこと以外に何も考えられなくて、開演予定時刻2時間前 (結果的に3時間前になってしまった) に東京国際フォーラム入り。うきうき、わくわく、そわそわ。
2003年、2004年の来日では、東京公演については皆勤ですが、何度体験してもこのわくわく感は新鮮なまま。
会場入り口には、今年もまた「空調を止めるよ」との張り紙。
一応会場時刻にホールに入り、パンフレットを買ったりして、開演30分前には席に着いた。 となりのボサノバ仲間と談笑しながらまち、開演時刻になったものの、いっこうに始まる気配がない。このボサノバ仲間たち、みなジョアンのCDは全部持っていて、ジョアンに強く影響を受けたギター弾き語りをするという、コアなメンバーたち。
開演予定時刻を1時間近くすぎてから、お約束の「アーティストがホテルを出発しました」のアナウンス。会場には笑いが漏れ、和やかに雰囲気に。 1時間遅れて始まることについては、皆承知済みの様子。
開演が1時間以上遅れて、その間にアーティストのマイペースな行動状況が逐一アナウンスされるというのは、もう日本でのジョアンのコンサートではお約束になっていて、「これもshowの一部だ」と皆楽しんでいるのです。
「空調を止める」「1時間遅れる」などもう分かり切っている定型を楽しむ。これって落語の楽しみ方に似てると思った。
18:15分頃、会場にブザーが鳴り、暗転。 ギターを持ったダークグレーのスーツ姿のおじいさんが舞台に登場。 2年ぶりのジョアン。 あのジョアン・ジルベルトが舞台にいる。同じ空間にいると思うと興奮するのでありました。
席について、ちょっと挨拶をしたかと思ったら、やおら演奏を開始。
この後も曲間の休止がほとんど無く、全部で31曲も演奏を続けました。 今回は、前回の公演のように、たとえば Doralice などの短い曲で、7コーラスも8コーラスも繰り返すという歌い方ではなく、1曲1曲を短くまとめ上げてたくさんの曲を演奏するといったスタイルでした。
本編ではやはり古いサンバの曲が多く、僕の知らない曲も2曲ほどありました。 青年時代にジョアゼイロのラジオできいたサンバの名曲の数々、これらがジョアンの音楽の原点なんですね。
大好きな、Lígia、Aos pes da Cruz、Ave Maria no Morro、を歌っているときには、歌詞の一言一言が心にしみわたりました。丁寧に、語りかけるような歌い方でした。
演奏が続くうちに、自分の中にあった煩悩や苦悩が少しずつ抜けていく感じがしました。 ジョアンの声とギターで作られる世界に引き込まれ、音が心にしみいってゆきました。 それにしても4千人を前にして声とギターだけでこの空気を作り出すジョアンはすごい。
今回の公演で、改めて、「音楽が人に与える力ってすばらしい」と思いました。 音楽と言葉(歌詞)、この二つが人を力づけたり安らかな気持ちにさせたりすることが出来るんだと。 人類の発明した音と言葉、その上にジョアンの音楽家としての人としての徳が、それを可能にしているのでしょう。
2夜目の公演も楽しみです。 Carinhosoや、ジョアン作の Um abraço no Bonfá, Bim bom, Hô-ba-lá-lá などが聞けるといいなあと思っています。
1. Tim tim por tim tim (Haroldo Barobosa, Geraldo Jaques)
2. Lígia (Tom Jobim)
3. Trese de ouro (Herivelto Martins, Marino Pinto)
4. Wave (Tom Jobim)
5. Solidão (Tom Jobim, Alcides Fernandes)
6. Você não sabe amar (Dorival Caymmi, Carlos Guinle, Hugo Lima)
7. Aos pés da Cruz (Marino Pinto, Zé Gonçalves)
8. Preconceito (Wilson Batista, Marino Pinto)
9. Disse alguém (All of me) (Seymor Simons, Geraldo Marks)
10. Estate (Bruno Martino, Bruno Brighetti)
11. Bahia com H (Denis Brean)
12. Guacyra (Heckel Tavares, Juracy Camargo)
13. Caminhos cruzados (Tom Jobim, Newton Mendonça)
14. Desafinado (Tom Jobim, Newton Mendonça)
15. Rosa morena (Dorival Caymmi)
16. A primeira vez (Armando Marçal, Alcebiades Barcellos)
17. Retrato em branco e preto (Tom Jobim, Chico Buarque)
18. Duas contas (Garoto)
19. Samba de uma nota só (Tom Jobim, Newton Mendonça)
20. Morena boca de ouro (Ary Barroso)
21. Ave Maria no Morro (Herivelto Martins)
– アンコール
22. Chega de saudade (Tom Jobim, Vinícius de Moraes)
23. Je vou aime, Japão (João Gilberto)
24. Garota de Ipanema (Tom Jobim, Vinícius de Moraes)
25. Corcovado (Tom Jobim)
26. Meditação (Tom Jobim, Newton Mendonça)
27. De conversa em conversa (Lúcio Alves, Haroldo Barbosa)
28. O pato (Jayme Silva, Neuza Teixeira)
29. Não vou pra casa (Antonio Almeida, Boberto Roberti)
30. A felicidade (Tom Jobim, Vinícius de Moraes)
31. Isaura (Herivelto Martins, Roberto Roberti)