(この記事は2013年5月に公開されました)
料理、グルメ、お酒、農業など「食」の世界を突き進む方々にお会いしてお話をおききしています。第1回は「科学する料理研究家」サリーさんです。
科学する料理研究家
サリーさんは「料理を科学する」をテーマに活動されている料理研究家です。科学と料理の関係をわかりやすく伝える執筆活動やレシピ開発などをされています。現在、ブログ「Sallyの科学なごはん帖」を執筆しています。食にまつわる科学の豆知識とそれを活用したレシピが充実したブログです。
(「Sallyの科学なごはん帖」は掲載が終了しています。サリーさんのオフィシャルウェブサイト「Sally's Kitchen」をご覧ください)
また、「科学のコツ」で料理を美味しくする秘密が盛りだくさんの書籍『「おいしい」を科学して、レシピにしました。』を執筆、2013年5月に出版されます。
サンマーク出版
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インタビューはUmioniaの京都オフィスがある京都リサーチパーク町家スタジオで行われました。築80年以上の町家を活用した、夏は暑く冬は寒い建物ですが、現在7社ほどが入居しています。
縁側の窓ガラスは手作りで、波打っていたり水滴のような凸凹があったりします。このガラスを通して庭を眺めるのはなかなか風情があります。サリーさんもすっかりこの魅力にとりつかれていました。
だしと味覚
サリーさんが「科学と料理」に興味を持ったのは、大学での授業でした。生き物が作られるしくみを学びたくて農学部に入りましたが、そこで「料理がおいしくなるしくみ」を学び、料理と科学との関係に強く惹かれることになりました。
「料理がおいしくなるしくみ」で一番感動が大きかったのは「だし」、タンパク質が分解されてうま味のもととなるアミノ酸が作られること、そのような作用を利用して作られる発酵食品、醤油や味噌について熱く語っていただきました。
だしが美味しいのは、いろいろなうま味成分や香り成分のハーモニーのおかげ。ハーモニーが大切なのは、繊細な味が作り出せるから。突出した味があると他の味覚の邪魔をして、繊細な味を保てなくなるのです。うま味が形成されるしくみのお話は本当に興味深かったです。
それから味覚は訓練。複雑な味をあじわう体験を積み重ねていくことで、より味覚が発達するとのことです。
だしについてもっと知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
「本物のダシを味わうことは教養である」 - Sallyの科学なごはん帖