2. レシピ|科学する料理研究家 サリーさん インタビュー

(この記事は2013年5月に公開されました)

第1回はこちら⇒ 科学する料理研究科 サリーさん ① だし


サリーさんのレシピ

サリーさんのブログ「Sallyの科学なごはん帖」はうま味や発酵食品のしくみをわかりやすく解説した「科学のコツ」とそれを活用したレシピで構成されています。

Sallyの科学なごはん帖より、レシピの例

鍋にパスタに!春菊で風邪予防」より

サリーさんは、分かりやすいレシピにするために、①簡潔に書く、②ステップは必ず時系列に並べる、③各ステップにタイトルを入れる、といった工夫をしています。ステップのタイトルはそのステップの要約ですので、太字のタイトルを流し読みするだけで、その料理を作る段取りがイメージできますね。

このほか、レシピの中に他の情報を混ぜないように気をつけているということです。料理をつくるときにはその作業に必要な情報だけを読みたいからです。「科学のコツ」はレシピと密接な関係がありますが、作り方とはきれいに分けるようにしていることのです。

レシピのかたちは読む人にあわせて

そして、世の中にあふれるたくさんのレシピについての話題になりました。私はしっかりと構造化された、必要な情報が過不足なく入ったびっちりレシピがいいと思っていたのですが、川津幸子さんの『100文字レシピ』に出会って衝撃を受け、その考えが変わりました。シンプルで、すぐに料理する段取りが目に浮かぶレシピ、頭を抱えながら読みこまなくてもその料理が作れるレシピの時代が来た!と興奮したものです。



これについてサリーさんの考えは、「ターゲットに合ったレシピ」でした。説明が丁寧で文字数が多いレシピは読むのが煩雑だが、シンプルなレシピには理解にするのに背景知識が必要。つまり100文字レシピのような超絶シンプルなレシピを使うには、ある程度の料理の経験をベースにした、行間を読むの力が必要なのです。このようなスタイルは、すでに一通りの料理が出来る人向けのレシピなのです。

そうすると、初心者向けには丁寧な説明があるレシピが必要になってきます。サリーさんは昔のananを読むのが好きで、1980年代の花嫁修業特集のレシピを例に説明してくれました。

この時代のレシピはとにかく文字が多い、初心者向けだから上級者が常識だと思っているようなことも事細かく説明されています。初心者だからこそ、説明が必要なことが多いのです。

一方で、いま初心者に人気があるのが「簡単レシピ」、ステップ数が多いレシピは敬遠されてしまうそうです。そこで無理に3ステップに詰め込んだりして、かえってわかりにくいレシピになってしまうことがあるそうです。

そのレシピを読むターゲットは誰か、そしてどのような前提知識を知っていて、どういう情報が必要なのか、を考えながらレシピを書くことが大切だということです。

科学と料理で食生活がもっと豊かに

3時間にもわたってお話をお聞きすることができて、とても学ぶことが多かったですし、なにより楽しい時間を過ごせました。知の喜びと味わう楽しみが両輪となってうまく回れば、食生活はもっと豊かに楽しいものになっていくだろうと思いました。

町家スタジオにて、サリーさん


第1回もごらんください⇒ 科学する料理研究科 サリーさん ① だし

Umio

Food & Learning の Umionia 代表。料理系ウェブサービスに携わった後、お菓子作りのコツを共有するサービスを開発。日本酒ジャーナリスト、日本酒コンシェルジュとして日本酒とそれを支える文化を伝える活動も実践。スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ。家訓に「いつも笑顔で、素直な心、食いしん坊ばんざい!」。

京都、東京、高松 http://umionia.com