/ 富翁

それは、 ある出会いから始まりました。〈伏見帖〉

日本酒コンシェルジュ・Umio 日本酒コンシェルジュ・Umio

北川本家杜氏田島さん(中)と、丹州山田錦無濾過生原酒を手にする蔵人の中村さん(左)

出会い

2011年の秋、京都市内にある居酒屋「んまい」で日本酒を造る職人さんと出会いました。 伏見の酒蔵、北川本家で酒造りをする蔵人の中村さんと杜氏の田島さんです。蔵人とは酒造りの職人、杜氏とは彼らを束ねるリーダーのことです。

シロツメクサの草原

私は「丹州山田錦」というしぼりたての酒を、それを造った田島さんの目の前で味わいました。やわらかい甘さ、新鮮さを感じさせる酸味、若さのほとばしる香り。シロツメクサの花が咲きほこる春の草原の情景が頭のなかに浮かびました。

おちょこにたっぷりの日本酒

感じたことをそのまま田島さんに伝えると、彼は「まさに、そのように意図してこのお酒を造ったんです」と満面の笑みでこたえました。 お酒を造る人と味わう人が思いを伝えあう、生涯忘れることのできない体験になりました。

蔵開き

次の日曜日、私はじめて伏見を訪れました。蔵開きイベントに参加するためです。

蔵開き巡りの人々。この日は周辺のいくつかの蔵で共同開催

雨が降っていました。駅から商店街のアーケードを抜けてしばらく歩くと、真っ直ぐな川が流れていました。その周りにはたくさんの酒蔵がありました。蔵開きのちらしを持って傘をさしたお客さんがたくさん歩いていました。

富翁・北川本家の蔵開き

北川本家に到着すると、はっぴを着た蔵の方々はみな清々しい笑顔で迎えてくれました。しぼりたてのお酒を振る舞われました。華やかな香り、若々しいフレッシュな味わい。感動さえ覚える美味しさでした。

ほろ酔い気分になって少し散歩して帰りました。

町並み、自然、酒蔵の人々、商店街の雰囲気。

私は伏見の町が好きになりました。

濠川の木々も綺麗に色づいていました