/ 盃のあいだ

お酒の味わいの表現について〈盃のあいだ〉

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

酒を飲むとき、音と映像が浮かびます。

爽やかな酸味と軽やかな甘味の酒を飲むと、頭のなかでウインドチャイムの音が聞こえ、米の香りを感じるどっしりとした味わいの酒をぬる燗にするとやわらかいウッドベースの音が鳴り響きます。

上品な切れと余韻は、初夏の波打ち際を思い起こし、アルコールやハーブの香りがもたらすのは、草原に佇む麦わら帽子の少女です。

味覚や嗅覚からすぐに言葉になることもあるし、自然と音や映像が再生されてからそれを言葉にする時もあります。すぐ言葉になる感覚はより分析的に、音や映像を経由する感覚はより包括的に感じられます。胸キュンするお酒を飲むとすぐには言葉にはなりません。

アラアラ, イガイガ, ガーッ, カチッ, カッ, かっちり, ガツン, ガン, キシ, キシキシ, キラキラ, ギラギラ, キラリ, キリッ, ぐいぐい, グイグイ, グッ, グニャグニャ, ぐわっと, ぐんと, けばけばしい, ごくごく, こってり, さっと, さっぱり, サラ, サラサラ, サラッ, ザラッ, シーン, シュッ, シュワシュワ, ジワ, じわっ, ジワッ, スイスイ, スーッ, スカスカ, スッ, すっきり, ずっしり, すっと, スルッ, たっぷり, ダラダラ, だらだら, チクチク, トロ, トロッ, ねっとり, ネットリ, バーン, バチバチ, パッ, パリ, パリッ, ピチピチ, ビビビシュワット, びり, ピリッ, ヒリヒリ, ピリピリ, ふっくら, フラフラ, フリフリ, ふわっと, フワフワ, プンプン, ふんわり, ペロッ, ぽっちゃり, ホワー, ボンッ, ムズムズ, もっさり, モヤッ, モワッ

日本酒の地域性を探るワークショップ「日本酒テロワールキャノンボール(現 Local Saké Cannonball ローカル・サケ・キャノンボール)」では、参加者のテイスティングコメントの中に、こんなにもオノマトペ(擬音語、擬態語)が出てきます。「自分の言葉で、自由に」表現するこのワークショップでは、酒を飲んで心に浮かんだ情景が、そのまま言葉になって現れることが多々あります。

日本酒やワインのソムリエたちは言葉を使って酒の味を表現しているけど、音や映像でそのまま表現してもいいのではないか。言語には壁があるし、香りが思い浮かぶフルーツや花は受け取る人が日常で感じているものだとは限りません。もっとユニバーサルな表現方法があってもいいと思います。

今、このようなことに取り組んでいます。

今日も日本酒コンシェルジュ通信に来てくださり、ありがとうございます。酒がみせる美しい情景に乾杯!