/ 日本酒テイスティングノート

笑四季 恋をするたびに… アンコールSP 最後の二人の秘密|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

ついに完結!「恋をするたびに…」シリーズ

2015年2月に笑四季酒造よりデビューした「EMISHIKI 恋をするたびに…」シリーズが遂に完結しました。最終作の「最後の二人の秘密」をレビューします。

残念ながら「第一話」をテイスティングできなかったのですが、当時のにしむら酒店会報によると、「気がついたら杯を空けているような軽快さ、ガーリーでキュートなポップ系日本酒」だったそうです。

_s-koitabi-1-2015-02
(にしむら酒店「一酒一会の会だより 2015年2月号)

今回テイスティングしたお酒もスイスイ飲めてしまうおいしさでした。当初のコンセプトを4年間の締めで再び感じることになったのです。

「アンコールSP 最後の二人の秘密」はフルボディーながらもやわらかく透明感があり、華やかな香りがバランスよく織りなします。しっかりした味わいなのに飲み進めることのできるお酒です。食べ物とは、寄り添うというよりも対等な立場で合わせるタイプ。チーズや肉料理との相性のよさが特徴です。

その後、「第二話」から、リリースされるたびに入手し、テイスティングしてきました。途中逃した作品もありましたが、あわせて6本をレビューできました。

杜氏さん自らデザインしたというラベルとタイトルの言葉選びが酒の味とリンクしているのを感じました。酒の味わいの中に実験的な雰囲気と恋心が見え隠れするシリーズでした。

テイスティングコメント

一口飲んで「おいしい」と思えるお酒。しっかりフルボディーでバランスがよい。それでいてスイスイ飲めてしまう。

12〜15度の温度帯では、やわらかくしっかりした味わいを感じる

まずは視覚で愛でる。ごく淡い山吹色に少し緑がかっている美しさ。

上立ち香は強め。みずみずしいリンゴの切り口、そして熟れた洋梨。これらの香りに加え、ほのかにフローラルな香りも。すみれなど小さくて可憐な花のイメージ。こんなにも華やかな香りがいくつもあって、それらがきれいにまとまっている。

口に含むと、透明感のあるテクスチャ。花の蜜のようなやや青い香り。やわらかさとシルキーな滑らかさが続き、しっかりとした甘味と酸味を感じる。両者のバランスが透明感を演出しているのだろう。そしてまた意識が香りに向かう。リンゴやウリの香り、やや乳酸菌飲料の香り。さらに、すこしだけキャラメルやカカオの香り。ミルクチョコレートが頭の中の空を静かに浮遊している。

シャープに切れたあとは、スミレのような可憐でフローラルな香りが残る。やわらかいけど力強い苦味、そして酸味。その後うま味とやや収斂味。これらがコクとなって記憶される。

温めるより冷やしたほうがおいしいお酒

少し温めて42度では酸味が立ち、さらに進めて50度では苦味が目立ってしまう。この酒のバランスのよさは、冷やして飲むように最適化されている。12度から15度に冷やして飲むとよい。

ペアリングの可能性は大きい

ブルーチーズとよく合った。酒が蜜のようになってチーズと競演する。塩味とうま味の強いパルミジャーノと合わせるとチーズのコクが強調され、酒にある青いハーブ香が顔を出してくる。これがチーズとペアになる。

酒のいろいろな香りのなかで青い香り、透明感のある口当たり、そして甘味と酸味を活かして、炙った豚トロにも合わせたい。

ミルクチョコレートのニュアンスを生かして、オレンジピールの砂糖漬けや酢豚・脂身の少ないビーフ・ステーキ、それからチーズとアンチョビとブラックオリーブだけを使ったシンプルなピザに合わせたい。

(テイスティング日: 2019年6月4日)

ラベル情報

  • 笑四季 恋をするたびに… アンコールSP 最後の二人の秘密
  • 〈醸造元〉 笑四季酒造(滋賀県甲賀市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 滋賀県産山田錦100%
  • 〈精米歩合〉 50%
  • 〈酵母〉 花酵母さくら
  • 〈特定名称/種別〉 -
  • 〈アルコール度数〉 16度
  • 〈原材料〉 米、米こうじ
  • 〈製造年月〉 2019-03

笑四季 恋をするたびに… アンコールSP 最後の二人の秘密 裏ラベル