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双子座のスピカ|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

2017年開催のワークショップで出会ったお酒。その後2回仕込んで、今季は3回目の仕込みだそうです。

ワークショップ「未知の味にことばを与える – 日本酒の『美味しい』を再発見する」のテーマは、「開発中の日本酒のプロトタイプと向き合い、その酒が活きる場面とそれを伝える表現について考えること」。

「酒と言葉」が関心事の私は、特に「表現」に興味を持ちました。ワークショップは2回開催され、あいだの1週間には宿題も。毎日少しずつその酒を飲み、変化を楽しみながら言葉で表現したり、ペアリングを試したりしました。意識的に言葉にする作業は、頭と感性を使うけれども、筋トレ後のような爽快感がありました。

結局、その酒を表現することはできたけれども、それを伝える「キャッチコピー」までには到達できませんでした。でも、2回目のワークショップでは他の参加者のいろいろな表現や考えに接しました。とてもよい体験でした。

リリースされた製品版をテイスティング

そして数か月後、無事製品としてリリースされた「乙女座のスピカ」を味わう機会が訪れました。

プロトタイプよりもかなり軽やかになっていましたが、爽快感は健在でした。レモンを思わせる爽やかさとシャープさ。苦味もまた、レモンピールのようです。切れたあとの余韻は長く、ミルクレモンとダージリンの香りが心地よかったです。

この爽やかな酸味と甘味を生かして、レアチーズケーキに合わせたいと思いました。もちろん、単独で食前酒としても楽しめるでしょう。

テイスティングコメント

プロトタイプ

2017年6月開催の上記イベントでテイスティング。

濃厚で、透明感があり、フルボディで輪郭が美しい。飴細工のような印象。甘味はそこそこで酸味はしっかり。麹・みりん・スピリッツのニュアンス。アルコールとナッツ香が混じったような爽やかな香り。漬け込んだかりん、濃厚な完熟オレンジ・カシューナッツ・ミルク飴の香り。よく切れて、余韻はうま味とオレンジ果汁・ミルク飴の香り。

29BY(写真のもの)

第一印象は透明感、爽やかでシャープ。レモンのような爽やかな酸味と透明感。レモンピールを思わせる苦味。ラムネ・レモン・柑橘ピーツの香り。よく切れる。余韻は長く、ミルクレモンのニュアンスとほのかな紅茶(ダージリン)の香り。うま味・酸味・苦味。

食前酒にしてもいいし、天ぷらやクリームチーズ・NYスタイルの焼いていないチーズケーキと合わせたい。

(テイスティング日: 2019年1月11日)

30BY

甘酸っぱさの中に麹の香り。前年よりまったりとし、濃醇になった。苦味は少なく、レモンっぽい印象。山廃酒母のような酸っぱさ。レモンミルク飴。余韻にもまた甘酸っぱさと麹の香り。

(テイスティング日: 2019年10月16日)

ラベル情報

  • 双子座のスピカ
  • 〈醸造元〉 福井弥平商店(滋賀県高島市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 10度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)
  • 〈酒造年度〉 30
  • 〈製造年月〉 30-11

双子座のスピカ

双子座のスピカ