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グループ・テイスティングの魅力が広がるといいな!|交野おりひめ大学 おさけ学科ワークショップ「マイ・きき酒で楽しく酒を飲む方法」レポート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

(2019年5月19日)

ご依頼をいただき、大阪・交野の市民大学「交野おりひめ大学 おさけ学科」で、日頃日本酒コンシェルジュが取り組んでいる「グループ・テイスティング」の魅力を伝えるワークショップを実施しました。

交野おりひめ大学おさけ学科とは?

交野おりひめ大学は、「交野を愛する人なら誰でも生徒や先生になれる」市民大学。おさけ学科のほか、そば学科・やさい学科・里の自然学科など7つの学科で構成されており、参加・体験型の活動が充実しています。

おさけ学科の酒づくりの会」では、地元交野市の大門酒造や山野酒造の協力のもと、酒蔵体験ツアーなどを実施。2018年からは山野酒造の協力で、酒米づくりからオリジナルの日本酒「百天満天」を造っています。何という充実した市民大学!

テーマはグループ・テイスティング

今回は、総勢38名の参加者を前に、きき酒・テイスティングについてお話ししました。日本酒の地域性を探るワークショップ「ローカル・サケ・キャノンボール」の中で日頃から実践していること・考えていることをベースにワークショップを進めました。普段の活動をこのように広める事ができる機会をいただいたことは、とても喜ばしいことです。

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まずは、造り手・酒販店や飲食店・そして私たち飲み手の立場によって、違ったテイスティングの目的と方法があること、そして飲み手のテイスティングとして私が実践していることをご紹介しました。

ことば

飲み手のテイスティングでは専門用語やしきたりにとらわれない自由な言葉を使うこと、自分の言葉で表現することが大切です。自由な言葉選びが自由な感性の表現へと、他者の表現と他者の感覚の理解へとつながるのです。

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自由なテイスティングノート

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次に私がふだん書いているテイスティングノートをいくつかご紹介しました。最初は味や香りを記入する欄がたくさんあるシートを使って分析的にテイスティングしていましたが、ある時からA4無地の紙を使って、自由に感じたことを書くようになりました。

こちらがその例、「美丈夫 純米吟醸」のテイスティングノート。真ん中に酒瓶の絵を描いて、その下に銘柄名と日付を書きます。その左側に酒の味と香りを温度帯別にメモ、右側には食べ物とのペアリングのメモ。このようにざっくりとした書き方だけ決めておいて、感じるままに自由にメモをしていきます。

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このテイスティングノートをもとに、その酒蔵や酒についてのストーリーなどを付け加え、下のように記事にしています。

こちらは、WAKAZE FONIA TEA prototypeのテイスティングノート。瓶の絵の下、◯で囲んだ部分に注目してください。「キレと余韻」と書いてあります。このように、特に心に残ったことを自由に書き込めるのもフリーフォーマットの利点ですね。

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グループ・テイスティング実践

いよいよお酒が飲めます。

次に、日頃私たちが実践している「グループ・テイスティング」を解説。大事なことは、きき酒中は私語厳禁、参加者がコメントを話すときはそれに耳を傾けるということ。これで酒にしっかり向き合い、他の参加者の感性にも向き合うことができるのです。これがグループ・テイスティングの真髄です。

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お酒のラインナップは全国の酒から私が心に残るものをセレクト。

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真ん中の「農口 本醸造」で、5〜6人のグループに分かれてテイスティングしました。時間の関係もあって各グループ一人づつにコメントを発表していただきましたが、皆さん、自分の言葉で表現されて、その豊かさに驚きました。

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ラインナップ一番左の「萩の露 生酛仕込 中汲み 無ろ過生原酒」は、自宅の冷蔵庫で2年半ほど自家熟成させたもの。開栓したらとてもよい熟成をしていたので、サブテーマとして自家熟成の魅力を伝えたいと思い、採用しました。

やわらかく、米を感じる丸い甘味。新種のときよりずっと味のバランスが取れていると感じました。カシューナッツの余韻も心地よく、萩の露らしさが増していました。

参加者の中に自家熟成をされている方が何人かいらっしゃってまたまたびっくり。熟成に対する考え方も人それぞれで、いいなと思いました。

このあと他の酒も含めてテイスティングしたり、懇親したりでワークショップは幕を閉じました。とてもいい空気の流れる空間でした。参加者のコミュニティの穏やかさ、お酒を本当に楽しんでいる日常を垣間見ることができました。

テイスティングは楽しい!

お酒のテイスティング、とりわけグループ・テイスティングの楽しさや学びをこのような形で共有できたことは本当に素晴らしいことでした。参加いただいた皆さん、そしてこのような機会をくださった交野おりひめ大学おさけ学科の皆さんには感謝しかありません。ありがとうございました! より多くの人が、飲み手のきき酒・テイスティングを楽しみ、おさけライフが豊かになればと思います。


近日開催のワークショップはこちら!

グループ・テイスティング🍶のワークショップ、6月は神奈川県の酒がテーマ。6月27日(木)よると、29日(土)ひるの開催です。