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1. 日本酒の「感動」が原点|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

日本酒コンシェルジュ・Umio 日本酒コンシェルジュ・Umio

(2015年7月公開)

食のインタビュー、4回目。今回お話をお伺いしたのは酒造家の藤岡美樹さんです。藤岡さんは香川県観音寺市の川鶴酒造で酒造りに取り組んでいます。

インタビューのために川鶴酒造のはっぴを着てくださった藤岡さん。この日は筆者が主催する日本酒イベント「町家でお酒を楽しむ会」に出演していただくために京都に立ち寄ってくださいました。そんなわけでインタビューは京町家を利用したイベントスペース「町家スタジオ」で行われました。

藤岡さんが酒造りの世界に入ったきっかけは「微生物の魅力」でした。

酒造りは「発酵」が命。藤岡さんが発酵に興味をもったのは小学校高学年の頃、パン作りをしていて生地が発酵して膨らむ様子に興奮を覚えたといいます。

それから、発酵するときの微生物の働きに魅了されつづけ、東京農業大学の醸造学科に進むことになりました。

きっかけは酒造りの現場での「感動」

— 日本酒造りの道に進みたいと思ったきっかけは何ですか?

酒造りをしたくて東京農業大学へ入ったわけではないんです。もともと微生物の勉強をしたくて入りました。

ただ、東京農大の醸造学科というのは、実家が酒蔵の蔵元さんとか、味噌屋さん、醤油屋さんという人がいっぱいました。

ある時、同じ醸造学科の学生だった酒蔵の息子に「日本酒ってあまり美味しくないですよね」と言ったら、「何を言ってるんだ!一度蔵を見学に来いよ」というので彼の実家の茨城県にある蔵を見せてもらうことになりました。

蔵の中に入った瞬間、醪(もろみ)が発酵している香りや音、蔵の空気感にすごく感動しました!

そして、いまお酒をしぼっているというところに連れて行かれて、今しぼったばかりのしぼりたてのお酒を特別に飲ませてもらったんですけど、それが、いままで自分がイメージしていた日本酒と全然違ってすごく美味しい。

醪(もろみ)とは、日本酒の原料のお米がドロドロに溶けて発酵している状態のものです。発酵している間は下の写真のようにぷくぷくと泡を出していて、とてもいい香りがします。この醪を濾して透明な液体にしたものが日本酒(清酒)です。

醪を濾して日本酒にすることを「しぼる」といいます。しぼったあとにいろいろな処理をして瓶詰めして出荷するわけですが、しぼりたてのお酒とは、まさにできたての一番新鮮な状態のお酒になります。

タンクの中で発酵する醪

それで、「こういうものを自分自身で作ってみたい」、自分みたいに誤解して日本酒は美味しくないと思っている人に「日本酒は美味しいんだ」ということを伝えたい、と思ったのが一番はじめのきっかけです。

なんでそう思ったの?ってよく訊かれるんですけど、ただ純粋にその蔵の雰囲気やお酒そのものに感動して、これを造りたいと思ったんです。