/ インタビュー

6. かわつる14|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

はじめて自分で造りの設計・指揮をした「かわつる14」

2015年に、藤岡さんははじめて醸造の責任者としてひとつの仕事を成し遂げました。「かわつる14」がそのお酒です。

— 「かわつる14」というお酒について教えて下さい

これは今年はじめて造った日本酒です。

私、ずっと日本酒にたずさわってきたんですけど、「酒母をつくる」とか「麹をつくる」とか部分部分での仕事をしてきたんです。自分で全部配合を作って、お米の吸水歩合も決めて、醪の管理もしていくというのは、今までやったことがなかったんですけど、今回はじめてさせてもらいました。

— はじめて設計・指揮をしたお酒ということですね

そうです。いままで、例えば「おいでまい」という米を使ってお酒を造るということだったら、「こういう感じの味わいでコンセプトはこうですよ」みたいなことはやっていました。

実際にお米の吸水を見たり、麹をつくったりということは、杜氏さんがしてくださっていました。この現場作業も含めてやらせてもらったのは、この「かわつる14」がはじめてですね。

— 長年の夢がかなったのですね

はじめての造り。うれしかったですね。

でもやっぱり、これ1本をやると、「これは良く出来たな」と自分では思うんですけど、「もっとここをこうしたら良くなるのに」「来年はこうしてみたい、ああしてみたい。そしたらもっとここが良くなるのに」みたいなことは、出てきますね。

「麹をもうちょっと工夫したら、もっとうまく行ったのに」とか、「ああ、私は技術がなかったからそこまで分からなかったわー」のようなこともあるんですね。

だから、「来年はもっといい酒を造りたい」、「もっと飲んでもらいたい」、という思いはあります。

「かわつる14」のコンセプト

— どういうコンセプトで造られたお酒なのですか?

今は、原酒とか生原酒といった美味しい日本酒が出てきていますね。できたての、生のフレッシュな味わいとかうま味があってよく飲まれるんですけど、原酒はやっぱりアルコール度数が、17度、18度とちょっと高くて、アルコールの負担があるというのがあるんですよね。

だからといって、割り水(水を加えて薄めること)をしてアルコール度数を低くすると、やっぱり、ジューシー感とか重厚感とかが失われてしまいます。

「かわつる14」はアルコール度数を下げて、うま味やフレッシュさがあるものを造れないかと、工夫して造った14度の原酒なんです。これはアルコール負担なしに飲んでいただきたいということです。

かわつる

それから、「かわつる14」は四合瓶(720ml)しか出していないんです。これは、皆さん洋風の料理屋さんに行くとワインボトルを1本注文されて、みんなでシェアしながらお料理と楽しみながら、そして1本空けてしまうというのがありますね。日本酒ではボトルで1本空けられるというのはあまりされないんですけど、そういうことができたらいいなと。

アルコール度数を下げて、ボトルで気軽に飲めて、洋風のお料理にも会う日本酒ができないか、ということで、こういうアルコール度数14度の純米原酒で四合瓶だけ、という設計にしています。

生のお酒にしかないようなフレッシュな感じを出すように、お酒をしぼったあとの管理などに気を遣いました。