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2. ひとつひとつ、おいしい日本酒を見つけていく|にしむら酒店 西村道隆さん インタビュー

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

(2015年5月公開)

ひとつひとつ、おいしい地酒をみつけていく

— 取り扱う地酒はどうやって選んだんですか?

まず、有名なもの、例えば雑誌で見たもの。その中で「この酒を売りたいな」というのがあると、まず蔵元さんに電話して、「どうやったら手に入りますか?」と聞くのが最初です。そういう日本酒は、問屋さんや普通の流通では取り扱っていないものが多いんです。

それで、蔵元さんからは大体「まずこちらに来てもらわないと。取引するにはまず顔を見てなんぼでしょ?」という返事をもらうので、「じゃあ行きます」ということから始まります。

一番最初のきっかけは福井の「黒龍」。今から20年くらい前です。

高島屋で展示販売会をやっていて、飲んだ瞬間に「こんなうまいもんがあるんか!」と感動して、真っ先に電話して蔵に行ったのを覚えています。店を休んでいきました。

うちの店は日曜が定休日だけど、酒蔵さんも閉まっているので、月に1回だけ平日店を休んで蔵に行っています。日帰りで行けるギリギリの距離を選んで行っています。この時の黒龍も福井県だったんで、福井県だったら日帰りで行けるんで。

当時は天狗舞さんとか、石川や福井や東北、やたらめったら日帰りで行ける蔵に寄っていました。

— その後すぐに取引できたんですか?

1回めは話だけ、ですね。後でもう一度連絡してもう一度訪問したりしていました。
それから、何かの折に蔵の方がお店に来てくれて、「こんなかんじでやってます」「じゃあはじめましょうか」という感じで取引が始まったり。

でも、取り扱うことのできない銘柄もたくさんありました。今有名なものでは十四代とか。山形まで行ったけどダメだった。「近所で取り扱っているところがあるからダメ」という、当時はそういう時代でした。

— 訪問した酒蔵のなかで、取引する酒蔵を選ぶ基準はお持ちでしたか?

平成10年代くらいまでは、有名銘柄をメインに選んでいました。

ここ10年くらいは、「自分が飲んでおいしいお酒」を基準に選んでいます。
それから、「このまま蔵元が続いていったら、絶対においしくなるだろうな」と思うお酒、「その蔵元とお付き合いしたいな」と思える蔵のお酒も選んでいます。

— どういう蔵元さんとお付き合いしたいと思いますか?

規模をどんどん大きくしたい酒蔵というよりも、目標の生産量に対して「どんな質のお酒を造っていくか」ということを考えている蔵とお付き合いしたいですね。それから、やっぱりあたたかい人がいいなと思います。

もちろん、「取引してもいいよ」と言われても、テンションが合わなかったら結局電話しなかったり、ということもあります。

今現在どうやっているか、というのが一番の基準。そこのお酒を飲んで惹かれる、というのが一番。

うちで人気の高い「玉川」もそう。飲んだ瞬間「この酒を売りたい」と思ったのが最初で、蔵まで取り扱いさせてくれと頼みに行った。そしたら、蔵の人はあたたかかったし、それで、「ここはぜひ売って行きたいな」と思いました。

にしむら酒店の冷蔵庫にびっしり並ぶに日本酒