日本酒を支える文化を伝えるコミュニティ|京都酒造工業研究会技術講習会での講演より

日本酒コンシェルジュ通信では、イベントでの「体験」とそれを文字にした「ブログ記事」を軸にして、日本酒とそれを支える文化の楽しみ方をお伝えしています。

日本酒を支える文化を伝えるコミュニティ

2017年7月、京都酒造工業研究会技術講習会で、日本酒コンシェルジュ通信の活動についてお話する機会をいただきました。

京都の酒蔵の蔵元さんや技術者の方を前に、とても緊張しました。日頃の活動を知っていただくことができ、聴衆の皆様からいただくものが非常に多かった講演でした。

講演をご依頼してくださった京都酒造工業研究会の皆様、京都市産業技術研究所バイオ系チームの皆様に感謝いたします。

イベント・コミュニティ・ブログ

講演では、「日本酒イベント」と「日本酒ブログ」、そしてそれらを支える「コミュニティ」についてお話しました。

「イベント」では、「町家でお酒を楽しむ会」「日本酒レッスン」についてイベントをゼロから作り上げてきた経緯。

「コミュニティ」では、イベントを続けていく中で出来上がってきた参加者のコミュニティについて、コミュニティに支えられたこと、会社の飲み会が減っていると言われているけど、みんなで一緒に飲みたい欲すなわちコミュニティ欲は人間の本能であり、なくならないこと。

「ブログ」では、インタビュー、酒米、テイスティングノートの紹介、酒の味わいを伝える取り組み、をお話しました。

以下は使用したスライドです。話した内容の抜粋を青い文字でメモ書きして追加しています。

日本酒を支える文化 京都酒造工業研究会技術講演会 2017年7月28日 from Takashi Eguchi

スライド内のリンク一覧

スライドで紹介した事例や記事のリンクをまとめました。

京都酒造工業研究会技術講演会
懇親会での伏見のお酒。京都の酒米「祝」を使っている
京都酒造工業研究会技術講演会
京都市産業技術研究所バイオ系チームの開発した酵母を使っている日本酒も

アルコールを飲むのはハレの場だけになる

イベントでしか日本酒を飲まないという傾向や、近年のアルコールの健康被害の指摘などから「酒を飲む機会はイベント=ハレの場だけになっていくのではないか」という問題提起をいたしましたところ、その後の懇親会で議論が生まれ、たくさんのご意見をいただき、さらに考えるきっかけになりました。

とくに、「イベントだけでしか飲まれないなら、価格を10倍にしないと商売として成立しない」とのご意見が記憶に残りました。

毎日の晩酌から特別な場での飲酒へ。ケの場での飲酒は減っていくかもしれない。もちろんかつてのように「冠婚葬祭や祭りだけがハレの場」とは違い、現代はハレの場がたくさんあります。小さな日常のお祝い、旧友と親交を温める、どこかしらで開催されている日本酒イベントに参加する。人によってはハレの場は毎週あるかもしれません。

ライトでパーソナルなハレの場

こういったライトはハレの場が増えていく社会になっていくのではないか。そして、なにもないけどとりあえず晩酌というケースはどんどん減っていくのではないか。イベントを開催し、参加者と対話する中でそう考えるようになりました。

日本酒の需要を今まで支えてきた普通酒。毎日の晩酌、仕事帰りの赤ちょうちん通いが業界を支えてきました。そして近年増えいるハイクオリティーの日本酒の需要はまだまだメインストリームではありません。

飲酒動向の変化に対応する方法の一つが、我々が開催するイベントのような、多種多様な「ライトでパーソナルなハレの場」をつくり、そこでの需要を喚起していくことではないかと考えます。

それは、ハイクオリティーの日本酒の潜在的消費者(ワインファンやグルメファン、たくさんいる)と日本酒体験をつなげることにほかならないのです。

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日本酒コンシェルジュ🍶Umio

日本酒ジャーナリスト、日本酒コンシェルジュ。京都で感動するほどおいしい日本酒に出会い、その魅力にとりつかれる。日本酒イベント「町家でお酒を楽しむ会」、「日本酒レッスン」で日本酒とそれを支える文化を伝える活動を実践。認定きき酒師、国際きき酒師、酒匠。家訓は「いつも笑顔で、素直な心、食いしん坊ばんざい!」。

京都、東京、高松 https://umio.net

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