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酒と日本人(田根佐和子さんのストーリー)

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

酒と日本人

田根佐和子さん

田根です。美味しいものは好きです。日本酒も、スッキリした飲みくちのものが好き。でも詳しくはありません。

はじめてのんだとき、とまどったのは注ぎ方でした。何で日本酒ってわざわざあふれさせるの?その後全て美味しくいただく、こぼれたものまで。これって独特ですよね。ただ、盃からこぼれる様がきれいでなんだか心として見てしまったことを覚えています。

その後友人が神社で結婚式を挙げました。神前の式は三三九度、ほとんどそれのみ。三三九度して、大幣(おおぬさ)をばさばさとふられておしまい。お酒、と言うのは日本人の精神の底に神聖なものとして刷り込まれているのかもしれないなと思いました。

そういえば先日祇園祭の還幸祭[1]では八坂さん[2]に戻った神様に神主さんがすぐに御酒をささげてました。すべての電子機器の電源を落とし、月明かりの中戻った神様に最初に捧げるのがお酒。お酒ってそういうものなんだなあと思いました。

おとなになって酒造りの大変さを知るにつけ、美味しく、そしてありがたく飲む気持ちが強まっている気がしてます。

今年の酒もおいしいと良いな。そしてそれを楽しめる場があるという光景が待っているとよいなと思います。


  1. 祇園祭の還幸祭 祇園祭は京都で1200年前から続く祭礼。還幸祭(かんこうさい)とは、神霊が本社(祇園祭の場合は八坂神社)へ還幸する(戻ってくる)祭儀のこと。
  2. 八坂さん 京都市東山区にある八坂神社のこと。祇園祭は八坂神社の祭礼。

このストーリーは2014年8月に開催された日本酒のものがたりワークショップで発表されたものです。