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「酵母と日本酒」日本酒レッスンその9 イベントレポート〈前編〉

日本酒コンシェルジュ・Umio 日本酒コンシェルジュ・Umio

日本酒とそれを支える文化をまるごと学ぶ「日本酒レッスン」、9回目のテーマは「酵母と日本酒」。京都市産業技術研究所バイオ系チーム・研究部長の廣岡青央さんにお話をしていただきました。

今回の日本酒レッスンは「京都市政出前トーク」という制度を利用し、京都市と京都市産業技術研究所にご協力をいただいて実現しました。会場はその2「麹と日本酒」も開催したおいない烏丸です。

真剣にお話を聞く参加者の皆さん

過去最高の40名近くの方にご参加いただきました。はじめて日本酒レッスンにご参加いただく方もたくさん来ていただきました。

参加者の皆さんからは「いままで曖昧だった知識がすっきりして、知らなかった部分を埋めることができてよかった」「京都の研究所が日本酒の酵母を開発しているということをはじめて知った」「京都市産業技術研究所が開発した酵母を使ったお酒を飲んでみたくなった!」「日本酒の酵母の頑張り方が日本らしいと思った」というご感想をいただきました。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

講師の廣岡青央さんは酵母の研究者

京都市産業技術研究所は京都市が設立した機関で、織物などの伝統産業から酒造りまで、中小企業のものづくりを技術面から支援しています。

講師の廣岡さんが所属するバイオ系チームでは、日本酒を造るときに使う酵母(清酒酵母)を開発したり日本酒の分析を行ったりすることで、京都の酒造業界を技術で支えています。

研究所での廣岡さん
★ 関連記事 → [10年後のトレンドを見越して日本酒の酵母を開発する〜京都の酒造りを技術で支える京都市産業技術研究所〜](/sake/developing-sake-yeast-at-kyoto-municipal-institute-of-industrial-technology-and-culture/)

廣岡さんの「酵母と日本酒」のお話

さっそく廣岡さんの日本酒レッスン。

京都・伏見の酒造りが良質な水と米に支えられているというお話から始まります。そして、酵母の働きと吟醸酒など日本酒の種類についてのお話。酵母の働きはアルコールを造ることと香り成分を出すこと。吟醸酒のバナナやりんごのような香りは、酵母が作り出すんですね。

それから、酒造りの工程の概要をお話いただきました。「酵母は30度位が心地よいけど、吟醸酒造りの現場では10度位のもろみの中で酵母が働きます。酵母くんは可哀想ですね」という廣岡さんのコメントに酵母愛を感じました。

そして本題。京都市産業技術研究所が開発した酵母の中から「京の華」と「京の琴」ついてお話をしていただきました。


「京の琴」は電気泳動というタンパク質を分離して分析する方法で「酵母の指紋」を採取。その結果を使い、香り成分をたくさん出す酵母を選び出すという方法で開発されました。りんごの香りの吟醸香の多く出す酵母です。

「京の華」は今流行のりんごの香りではなく、バナナの香りを出して差別化したいという要望のもとに開発された酵母です。

バナナの香りの香り成分は酢酸イソアミルで、イソアミルアルコールから作り出されます。ここで、イソアミルアルコールが多く残ってしまうとオフフレーバーの元になるなどの課題がありました。京の華はイソアミルアルコールをあまり残さない酵母を選択する方法で開発されました。

最後に、それぞれの酵母について開発した酵母を製品化するまでの道のりについてお話いただきました。

質疑応答

質疑応答では、「京の咲」という「京の」シリーズの3作目となる酵母についての質問や、蔵付き酵母、米と酵母の相性についての質問をいただきました。

レッスン・質疑応答の詳細は近日公開の〈後編〉で!

懇親会は問答無用いなせやで

レッスンのあとは、問答無用いなせやさんで懇親会。レッスンの会場からほど近い日本酒専門店です。「その8日本酒テイスティングのきほん」もここで開催しました。

廣岡さんのお話に出てきた酵母「京の琴」を使った日本酒「富翁 丹州山田錦」で乾杯!おいしい料理とともに歓談を楽しみました。

日本酒にあう、おいしい料理。幅の広い味わいを楽しめました。酵母くんも喜んだことだと思います。

行ってみよう!

京都市産業技術研究所では、8月6日に「京都ラボフェス 夏休みものづくり体験デー」というイベントが開催されます。講師の廣岡さんの所属するバイオ系チームでは、米と麹で作ったノンアルコール醸造飲料「甘酒」が飲めます!

もっと知りたい!

廣岡さんのお話を詳しくレポートした「後編」は近日公開!