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沢の鶴 本醸造 23年古酒|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

添仕込みを終えた状態で時間が止まった酒

タンクの中で発酵する醪(もろみ)。添仕込み、仲仕込み、留仕込みと3段仕込みで米と米麹が投入され、20日から30日の発酵日数を経て酒となる。この酒は最初の仕込み、添仕込みで酒造りが止まってしまった。1995年1月17日のことである。

仕込みを続けることができなかったので、醪を酒にすることは叶わなくなった。かといって廃棄することもできず、発酵がコントロールされてない状態で搾られた。この時、蔵人たちはどのような思いでこの酒を搾ったのだろうか。

元はどんな酒だったのかもよくわかっていないという。震災でデータが残っていないので、ほぼ純米酒だと思われるが本醸造表記となっている。搾ったあと、3〜4年はいい味ではなかったが、その後だんだんとおいしくなってきたという。

この酒には、いろいろな人の思いと、時間が詰まっている。

甘味、酸味、強烈な力強さのある酒

しっかりといい色がついている。アタックは強く、骨格がしっかりしている。とても強い甘味はグラニュー糖のよう。酸味も強い。熟成した果実感がある。リンゴの蜜のニュアンスも。香りは熟成した果物の果汁、オレンジピール、はちみつ、柑橘シロップ。強い味わいの中、味、香りのバランスが取れている熟成酒だ。さらりとしたテクスチャーになるまでもっと熟成させてみたい。

オール神戸のアテ

熟成酒に合うアテを用意していただいた。すべて神戸セレクション。沢の鶴の奈良漬、梅干し、神戸のいかなご、神戸の工場で作られたチョコレート、ハム、ピーナッツなどほとんどが神戸参加神戸で作られたもの。

オール神戸のアテ

強い甘みと複雑な熟成香を生かして、醤油で調理した豚の角煮、台湾の腸詰めに合わせたい。熟成香にきのこ臭が少ないので、ビターチョコレートやドライフルーツとの相性もよい。柑橘の香りを生かして、あまり味付けをしていないローストビーフにもよく合うだろう。

沢の鶴の古酒に共通する特徴

この日は沢の鶴の古酒を11種類テイスティングしたが、複雑な熟成香を甘味がまとめるきれい系の古酒が多いと感じた。

2018年3月21日に開催された長期熟成酒研究会 | Association for Long Term Aged Sake のイベントにて。なお、この酒はイベントで試飲したもので商品として販売されていない。

(テイスティング日: 2018年3月21日)

ラベル情報

商品名沢の鶴 本醸造 23年古酒
醸造元沢の鶴(兵庫県神戸市灘区)
特定名称・種別
原材料-
酒造年度1994BY
原料米-
精米歩合70%
酵母-
仕込み水-
アルコール度数14.9度
日本酒度-30.0
酸度5.10
アミノ酸度3.10
製造年月-
杜氏-
その他情報-
商品ページ-