/ 伏見帖

春の伏見散歩〈伏見帖〉

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

伏見との出会い以来、私は日本酒の美味しさを多くの人に伝えたいと日本酒をカジュアルに楽しむイベントを何度か開催しました。そこで日本酒のファンになってくれる人がでてきて、うれしく思ったことを覚えています。

春がきて、再び伏見を訪れる機会がありました。日本酒イベントを一緒に主催していた田中さんは伏見に知り合いが沢山いて、その方々を訪問する事になったのです。

いくつかの場所を訪問し、新しい人々と話したあと、最後に訪問したのは「伏水きたせ昆布老舗」というおしゃれな昆布屋さんでした。店主の北澤さんは、このお店で月に一回日本酒のスタンディングバーを開いています。

3人で川沿いを散歩しました。両岸のしだれ桜は満開でした。そよ風に舞った小さな花びらが川面につくと、踊るようにきれいな模様を作りながらゆっくり流れていました。観光地らしい出で立ちの屋形船がその模様を壊さないようにゆっくりと進んでいました。

この時北澤さんに教わって初めて知ったのですが、私が川だと思っていたのは濠川(ほりかわ)という運河でした。かつてこの運河を使ってお酒が運ばれたのでした。

伏見のお酒と京都の「だし」文化

京都の食は「だし」の文化、塩分などで味にインパクトをつけるよりも、昆布に含まれるアミノ酸のしずかだけど深い味わいを特徴としています。

伏見のお酒は、京料理に合わせた食中酒、食事をしながら楽しむお酒として造られるものが多いです。だからインパクトよりもしずかな味わいを特徴としています。