イベントレポート: 「富翁」北川本家の物語ときき酒の会〈前編〉

(2014年6月25日開催)

「富翁(とみおう)・北川本家の物語ときき酒の会」。

伏見の歴史ある酒蔵、北川本家さんの蔵元さんと杜氏さんそしてファンが語る「物語」の映像を見ながらきき酒を楽しむというイベントです。

24名もの方にご参加いただきました。ありがとうございました!

酒造りの物語上映ときき酒

イベントでは、杜氏の田島さんからのきき酒のミニレッスン、蔵元の北川さんからの北川本家の紹介のあと、物語動画を上映、造り手の思いを感じながら京料理とともに日本酒をじっくり味わっていただきました。

北川本家さんは、京都・伏見で江戸時代はじめに創業して以来、京都の文化とともにその歴史を歩んできました。主要なブランド「富翁」はきれいで飲み飽きない味わいのお酒です。

イベントでは北川本家さんのお酒を5種類お楽しみいただきました。ウェルカムドリンクでお出ししたのが夏季限定の「大吟醸生酒」、フレッシュな味わいが特徴です。

ウェルカムドリンク 富翁大吟醸生酒

きき酒レッスン

杜氏の田島さんからきき酒のレッスン。利き猪口を使って、飲む前の香り、口に入れた後の香りと味、のどごしなどお酒の味と香りの楽しみ方を教わりました。

きき酒は難しくありません。きき酒の方法を少し知っているだけでお酒の味と香りをさらに楽しめます。

きき酒の方法をレッスンする田島杜氏

語り手自身が作った酒造りの物語

今回の目玉は、蔵元さん、杜氏さん、そして富翁ファンの方の「物語」を動画でお伝えし、その思いを感じながらお酒を味わっていただくことでした。

蔵元さん、杜氏さん、ファンご自身の視点でそれぞれの思いを語っていただきました。物語の主人公が主体になって内容を考え、ナレーションを朗読してつくった動画作品です。

北川本家蔵元 物語動画の上映

“顔の見える”酒造り 北川本家14代目蔵元の物語

最初に上映したのは、蔵元・北川幸宏さんの物語です。

北川さんは14代目の当主で、家業を守るためにいろいろな取り組みをされてきました。日本酒業界はずっと厳しい状況にありますが、北川さんが蔵元を継いだ時、北川本家360年の歴史の中でその時々の当主が時代の変化に対応しながら蔵を守ってきたことを実感したといいます。

物語では、酒米の農家さん、販売店さん、そして消費者との「顔の見える関係」を作っていく過程が語られました。

上映後、物語で出てきた2つの銘柄「乾風(あなぜ)」と「丹州山田錦」を参加者の皆様に味わっていただきました。

吟醸 乾風(あなぜ)

北川本家の酒蔵は「乾蔵(いぬいくら)」と呼ばれています。「乾」というのは北西の方角を示す言葉です。「乾風(あなぜ)」には、酒造りまっただ中の冬に吹く北西の風、そして「乾蔵」からの新しい風、という意味が込められています。

現在「乾風」には三種類のラインナップがありますが、イベントでは、物語に出てきた北川さんが最初につくった「吟醸 乾風」をご紹介しました。

吟醸 乾風(あなぜ)

丹州山田錦

物語での2つ目のお酒が「丹州山田錦」です。京都府北部の綾部にある丹州河北農園で栽培された山田錦という酒米を使って造られたお酒です。

北川本家の皆さんは毎年河北農園での田植えを手伝うなど、農家の河北さんと交流しています。

また、このお酒は蔵から直接販売店に納めるという形をとっており、北川さんが目指す、お米を作る人、酒を造る北川本家、販売店の三者の「顔が見える関係」の中で造られているお酒です。

富翁 丹州山田錦

後編 ▶

日本酒コンシェルジュ🍶Umio

日本酒ジャーナリスト、日本酒コンシェルジュ。京都で感動するほどおいしい日本酒に出会い、その魅力にとりつかれる。日本酒イベント「町家でお酒を楽しむ会」、「日本酒レッスン」で日本酒とそれを支える文化を伝える活動を実践。認定きき酒師、国際きき酒師、酒匠。家訓は「いつも笑顔で、素直な心、食いしん坊ばんざい!」。

京都、東京、高松 https://umio.net

follow us in feedly