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玉川 一号酵母 無濾過生原酒 本醸造 2018BY|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

協会一号酵母を使った酒

玉川の一号酵母本醸造。去年、タンク1本だけ試験醸造したところ人気だったので、今年も登場です[1]。去年のものと比べて、シンプルな香味に仕上がったと感じましたが、力強さと燗酒にした時の上がり方は変わらず素晴らしいです。

こちらは2017BYの玉川一号酵母についての記事。一号酵母の復活についての記述もあります。

甘くて濃醇、燗にするとうまい酒

口に含むと、「おいしい!」。バランスのよい、そして力強い酒。しっかりとした、そして粉砂糖のようなシンプルな甘味。アプリコットと米の甘い香りがこの甘い印象の輪郭を引き立てます。昨年のものは和三盆やダージリン・ウエハース・カカオなど複雑な香りが特徴的でしたが、今年はシンプルに仕上がっていると感じました。

60度前後まで温めると、この酒の本当の顔が見えてきます。さらりとしたテクスチャ、アプリコットと白玉粉の甘い香り、よいバランス。これが一号酵母の特性なのだと感じました。なによりも、この酒もほかの玉川と同じように燗酒を旨として設計されているからなのでしょう。

卵焼きと合わせました。やさしいうま味とすこしの塩味、卵のやわらかな味わい。特に燗酒のときはよく合います。冷やした状態だと、例えば熟成の若い(6ヶ月位)のコンテチーズとも相性がよいでしょう。

玉川 一号酵母 無濾過生原酒 本醸造 燗酒

和酒美ずきにて。

テイスティングコメント

冷やすとキラキラ・メリハリが効いた酒

まずは12度位の温度帯、ぐい呑みで。しっかりした味わいで強いアタック。強い甘味、酸味もしっかり。オレンジの香り、甘味を思わせる米の香り。そしてまた米を感じる苦味。余韻は長く、白玉粉の香りとオレンジの香り。

突き出しのいろいろな料理と合う。米のニュアンスがそうさせているのだ。

温めるとどんどんよくなる

42度の燗酒、平盃で。アプリコットの香り。甘味が上がり、やわらかい印象。バランスがよい。

52度に上げると、さらにやさしさが増す。やわらかな米の香りの印象。酸味と落ち着いたフルーツ、アプリコットのような香りが広がる。キレはよく、余韻は白玉粉の香り。

64度。さらにバランスが良くなる。この温度をターゲットに酒質設計をしたのでは? と思った。

55〜65度位がおいしく楽しめる温度帯。甘味が抑えられ、さらりとしたテクスチャを楽しめる。このバランスがよい。

やさしい味付けのいろいろな料理と合う

突き出しのいろいろな料理と合う。米のニュアンスがそうさせているのだ。

50度以上の燗酒で卵焼きと合わせた。酒の甘味と酸味、それらが織りなすキラキラ感が強調された。よく合う。

(テイスティング日: 2019年11月7日)

ラベル情報

  • 玉川 一号酵母 無濾過生原酒 本醸造
  • 〈醸造元〉 木下酒造(京都府京丹後市)
  • 〈仕込み水〉 城山の湧き水
  • 〈原料米〉 麹米: 五百万石、掛米: 国産一般米
  • 〈精米歩合〉 麹米: 65%、掛米: 68%
  • 〈酵母〉 協会一号酵母
  • 〈特定名称/種別〉 本醸造酒
  • 〈アルコール度数〉 20度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
  • 〈酒造年度〉 2018
  • 〈日本酒度〉 +0.5
  • 〈酸度〉 1.5
  • 〈アミノ酸度〉 1.4
  • 〈製造年月〉 2019-09

玉川 一号酵母 無濾過生原酒 本醸造 ラベル


  1. にしむら酒店. 一酒一会の会だより. 2019年11月号 ↩︎