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蓮でお酒を飲んできたよ! 蓮見酒 「湖国の夏酒」と象鼻杯

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

(2017年7月29日)

日本酒ニュースまとめ蓮酒の記事をシェアしたことがきっかけで、フォロワーさんから「草津でも体験できます!」との情報をいただき、行ってきました、「蓮見酒 “湖国の夏酒” と象鼻杯」。

バスに乗って向かう

会場は滋賀県草津市、琵琶湖畔にある「植物公園みずの森」。

JR草津駅からバスに乗って揺られて行きます。所要時間は30分弱。あれに見えるは三上山でございます。

車窓から

道なき道を進む

琵琶湖博物館前バス停で下車。

みずの森へ

道なき道を進み、会場の「植物公園みずの森」に向かいます。(註: あとから、みずの森前にもバス停があると知りました)

けもの道を行く

蓮の葉でこんにちは!

会場で出迎えてくれたのは、大きな蓮の葉を持った職員の方。もちろん、「蓮酒を体験してください!」と誘われました。

体験しないと帰ってはいけないような、強いオーラ。「実はこのために来たんです」とはとても言い出せませんでした。

蓮を持った職員の方がお出迎え

さっそく体験! 象鼻杯

象鼻杯

幸せ感漂う雰囲気のイラストで象鼻杯(蓮酒)がどのようなものかを再確認。蓮で酒を飲む様子が象の鼻のように見えるので、「象鼻杯」と呼ばれます。

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さっそく象鼻杯を体験!

長い!

正直、こんな長いとは思っていませんでした。

2勺半の猪口に入れられた清酒が蓮の茎を伝い、やってきます。止めることはできません。

お酒はゆっくりとやさしく、少しづつ注がれます。それでも完全にはコントロール出来ない状態で酒が口に入ってくる、体に入ってくる。普段体験することのないこの受け身感。あ、この感じ、病院で体験したことはあるけれども。

会議用の長机が健康診断や予防接種の光景を思い起こさせます。列に並んで長いチューブで酒を飲むこともちょっと医療チックですね。

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蓮の茎には写真のようにに大小の穴が開いています。レンコンのようです。そう! レンコンは蓮の地下茎が大きくなったものなので、茎とレンコンの断面は同じ形なのです。

酒が注がれます。小さな猪口1杯分なのでそんなに注ぎ終わるのに時間はかかりません。

「終わりましたよ」とお姉さん。でも茎が長いのですべてが流れ終わるにはだいぶ時間がかかるのです。

蓮の青い香りが酒と融和して流れ込んできます。いままさに、蓮を感じながら酒を飲んでいる、というか流し込まれている。人生の終わりに走馬灯のように映像が流れるとしたら、これもそのシーンの一つになるでしょう。

ようやく蓮の茎から液体がなくなり、青い空気がすっとやってきました。

完飲!

ちょっと穴を開ける

これが象鼻杯に使われた蓮の葉。注いだ酒が茎に入るように、小さな穴が開けられて。この穴の開け具合が要なのでしょう。蓮のプロである「みずの森」の職員の方が開けたそうです。

道灌

中身のお酒は太田酒造の「道灌」。草津の地酒です。酒質も蓮の青い香りがマッチする軽快なタイプ。ナイスセレクションでした。

象鼻杯の歴史は古い

象鼻杯の飲酒文化には、長い歴史があります。

古今要覧稿 蓮

こちらは江戸時代後期に編纂された『古今要覧稿』。自然・社会・人文の諸事項を分類し、その起源・歴史などを古今の文献をあげて考証解説したものです。

この中に象鼻杯の記述があります。

古今要覧稿 蓮zoom

「蓮」の項をみると、こんな記述が。

葉の正中より茎に孔を明けて酒をつぎて其茎の元より吸ふを楽なりとて…

まさにいま体験したことです。こんな昔から風流な遊びが行われていたんですね! 先人の知恵と好奇心に感謝です。

夏酒を楽しむ

会場では蓮酒の他にも滋賀の夏酒がラインナップ。追加コインでいただきます。すでに飲んだことのある湖国の夏酒もちらほら。

湖国の夏酒

ラベルの鯉の絵に惹かれ、「よしのぼり」をワンショット注文。飲んでみると、うん、とても、不老泉。はじめて見たけど上原酒造のお酒でした。

みずの森の蓮を楽しむ

温室の蓮

象鼻杯と夏酒を楽しんだあとは、「みずの森」のいろいろな蓮や蓮の花を楽しみました。

植物をゆっくり眺めることのない忙しい毎日を送っているので、見てるだけで心が癒やされます。この日は夏真っ盛り。気温も湿度も高く、汗を拭いながらの滞在でした。それでも植物と共にいるだけで心は落ち着くのです。

蓮の葉

こちらは象鼻杯に使うものと同じ種類の蓮。立派な葉です。水滴が美しいですね。お酒じゃなくて水滴が乗っているのが普通です。

オオオニバス

オオオニバスもきれいでした。これ、赤ちゃんが乗っても大丈夫なんですって。

「みずの森」には様々な種類の蓮がありましたが、それらはすべて西洋の庭園のように計算されて配置されていると感じました。作り手の美意識が伝わってきます。

歴史のあるお酒の楽しみ方「象鼻杯」を体験し、滋賀の夏酒を飲み、蓮を眺めて癒される。充実した夏の一日を過ごせました!

来年もまた来よう。